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ブリッジセラピー
ブリッジセラピーとは、米国ルミナス社のUltrapuse(ウルトラパルス)というレーザーを用いた美肌治療で、いわゆる炭酸ガスフラクショナルレーザー治療です。
美容皮膚科で行われるレーザー治療の中では最も強力な部類に入り、主に、毛穴、ニキビ痕(凹み)の治療によく用いられます。
ただし、ダウンタイム(赤くなったり、被覆材・テープを貼る必要)がありますので、お仕事などのスケジュールを考慮していただく必要があります。
当該機器は、FDA(米国食品医薬品局)の承認を得ていますが、本邦では未承認です。医師が海外から個人輸入をしています。
ブリッジセラピーは美容皮膚科の治療の中では、最も侵襲性が高い治療の一つです。他治療では改善が難しいニキビ痕や刻まれたシワを目立ちにくくしたり、さすがに手術ほどの効果は得られないものの、目の下のタルミやその周辺の小じわに対しても改善効果があります。
単に等間隔ドット形状に照射するのではなく、対象の形状に則した照射手技も行います(ただし、海外の動画SNSに紹介されるレベルの改善度を得るのは、東洋人に関しては正直厳しいものがあります)。
ただ、アグレッシブな治療のため、テーピング(約3日)や湿潤状態を保つ必要があり、見た目のダウンタイムがあります。
お受けになる時は、十分スケジュールを調整されることをお薦めいたします。
*フラクセル3と同概念の治療になりますが、ブリッジセラピーは剥離的フラクショナルレーザー治療であり、よりアグレッシブな治療になります。どちらを選択されるかは、診察時にご相談ください。
フラクショナルレーザーについて
以前は、肌のドラスティックな改善を求めて一定の深さまで皮膚を面状に削り、その後、再生を促すという治療法が行なわれていました。
しかし、長いダウンタイムや併発症(トラブル)の問題があり、特に日本人の肌にはハードルの高い治療でした。
そこで、ダウンタイムや合併症のリスクを減らした上で、同様の効果を得るために開発された機器が、ウルトラパルスやフラクセルなどのフラクショナルレーザーと呼ばれる機器です。
治療概念として、面ではなく、ドット状に(隙間をあけながら)熱影響を加えていく治療ですので、複数回の治療が必要になります。(*フラクショナル fractional=分割 という意味です)
最初に登場したフラクショナルレーザー(初代フラクセル)は、ドット状に皮膚をcoagulate(凝固)していくものでした。
正確に表現すると、一定の深さのごく小さな円柱状の熱凝固した「傷」を皮膚に多数つくるものです(これをノンアブレイティブフラクショナルレーザーといいます)。
この傷が治癒していく過程を「肌の入れ替え」と表現していて、マクロ的には、肌質の改善、ニキビ痕の改善などを期待するのです。
ブリッジセラピーの特徴
ブリッジセラピーは上記のようなノンアブレイティブレーザーと異なり、皮膚の表面をドット状に蒸散させます。簡単に言えば、凝固するのではなく、穴をあけるということです(アブレイティブレーザー)。
また、ウルトラパルス炭酸ガスレーザーは水平方向に熱が拡散しにくいという特徴がありますので、蒸散層の下に皮膚の奥深くまで円柱状の熱凝固ゾーンを形成することができるのです。つまり、過剰なダメージを抑えつつ、より深部からの再生が促されるというわけです。
注)ブリッジセラピーには、図のようにDeep FX とActiveFXという2つの照射法があり、それぞれ単独で行う場合と、同時に行う場合(TotalFX )があります。
ウルトラパルス炭酸ガスレーザーを使用して皮膚をドット状に蒸散させ、入れ替えをはかり、同時にヒートショックを与えることにより、コラーゲンの生成を促進します。
結果、他の治療とは異なるニュアンスの、根本的な美肌効果がみられます。
照射密度、レーザーの深達度などを細かく調整でき、各人の症状に合わせた治療が可能です。
ブリッジセラピー後の皮膚は、レーザーの影響を受けていない皮膚がブリッジ(ネット)のように残存している状態になります。このためダウンタイムが比較的短いのです。
注)PigmentFxは、フラクショナルレーザー治療の概念には通常含まれません。
ブリッジセラピー後の皮膚再生
1.シワや皮膚内部が不均一なために、肌のハリやツヤが損なわれているお肌
2.レーザー照射で皮膚に小さな穴をあける
3~4レーザー照射後、皮膚の創傷治癒によって徐々に穴が修復される
5.穴が完全に塞がり、ハリのある皮膚になります。
※ 2 穴をあけるだけでなく、その下に凝固ゾーンをつくります。
そのため、再生は表面だけではなく、より深い層から起こります。
ノンアブレイティブレーザーとの違い
・1回あたりの治療効果が高めです。
・お顔のタイトニング(引き締め)効果も比較的強めです。
・より強い治療になりますので、ダウンタイムが長く、数日は滲出液が大量に出ることがあります(特にActiveFXやTotalFX)。
ダウンタイム、併発症
個人差や治療強度にもよりますが、DeepFxのみの場合、赤みは3~7日程残ります。24時間後よりメイク可能になりますが、実際はカバーするのは難しく、皮膚に対する刺激も好ましいものではありませんので、可能であれば5日ほどメイクはお控えください。
ActiveFx もしくはTotalFxの場合、カサブタが5日ほど残り、赤みは1~3週間継続します。メイクは5日間はできないとお考えください(湿潤療法を徹底して行うとカサブタは生じませんが、被覆材による副作用が生じる場合があります)。
まれに治療部位にニキビが多発することがあります。
色素沈着が発生することがあります。
治療をお受けになれない場合
・ 妊娠している方、授乳中の方
・ 過去1年以内にアキュテインを服用した方、抗凝固剤を使用している方
・ケロイド体質の方、傷の治りが悪い方
・リドカイン(麻酔薬)アレルギーのある方
・ 膠原病、糖尿病、免疫不全、血液の凝固障害、悪性腫瘍の治療中の方など
・ 1ケ月以内に、治療する部位に他の治療を受けている方
・瘢痕形成のリスクを承諾できない方
・ 金の糸が入っている方
その他、医師が本治療の適応ないと判断した場合
*注意
日焼けをされていますと、治療ができません。
ピーリングやトレチノイン治療(ビタミンA誘導体含有化粧品)は2週間前から中止してください。
治療費
DeepFxのみ
全顔 88,000
両頬 66,000
首 44,000
TotalFx
全顔 104,500
両頬 82,500
薬代 3,300
麻酔代 2,200
範囲に応じて治療費を調整
(4㎝Ⅹ4㎝で11,000円程度です)
Q&A
Q. 極小の傷をレーザーで作って、その傷の治る過程を利用するとのことですが、極小とは具体的にどれくらいですか?
A. ブリッジセラピーは2つのフラクショナルレーザー(DeepFxとActiveFx)治療があります。細く深く皮膚を蒸散させるDeepFxの場合、径0.12mm、広く浅く蒸散させるActiveFxの場合、径1.25mm程度です。
Q. そもそもなぜ、フラクショナル(ドット状)に照射するのですか?
A. フラクショナルレーザーが現れる前は、面状にレーザーを照射する治療が行われていたのですが、ダウンタイムが長く、赤みが長期に渡って継続したり、色素沈着や場合によっては瘢痕が残ったりとトラブルが多かったのです。そのため、ビーム径を細くし、間隔をあけて照射し、レーザーが照射されいない(インタクトな)部分を網目状に残すように工夫されました。そうすることにより、ダウンタイムが短くトラブルも少ない治療が可能になったのです。
Q. 治療は何回必要ですか?
A. 症状により、また、どのレベルまで改善させたいとお考えになっているかにより大きく異なります。特に、毛穴やニキビ痕の治療は、かなりの回数を要することになります。
Q. 痛みはありますか?
A. 痛み止めの内服と麻酔クリームを使用いたしますが、痛みはある程度あります。痛みの感じ方は、人それぞれですので、治療中もお話をしながら、我慢できる範囲で調整をさせていただきます。
また、治療後数日は、日焼けした後のような刺激感がありますが、痛み止めが必要なほどではありません。
Q. 治療の時間はどのくらいかかりますか?
A. 麻酔クリームを塗布して治療を開始するまで1時間ほどおきます。治療時間は範囲によって変わりますが、全顔のTotalFXで20分程度です。
Q. 洗顔・入浴はいつから可能ですか?
A. 洗顔は、DeepFxの場合、治療後24時間後から可能となります(TotalFx やActiveFxの場合、創傷被覆剤を3日ほど貼っていただきますが、治療24時間後から、テープの貼り換え時に、必要に応じて、優しく洗顔していただきます)ただし、ピーリング剤が入っている洗顔料や粗い粒子が入っている洗顔料は決してお使いにならないでください。
入浴に関してですが、治療当日はシャワー浴のみとしてください。翌日から、湯船につかっていただいても大丈夫ですが、治療後1週間程度は短時間で済ませてください。
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